夜王4

私の言葉を聞くとタイガさんが起き上がり

壁ドンならぬ

ベッドドンみたいな体制で

「ルイだけは特別だよ

 2人だけの秘密な

 他のやつなんかやめて

 俺にしろよ」

と真剣な顔で言われ

「え?
 
 急になに、、、」

と目を逸らすと

「ってそのセラピストに言われた?

 色恋するセラピ多いもんなー

 

 俺ほんとそう言うのないから
 安心して」

と私の腕を引っ張って起こす

「俺さ。風俗いくとき

 あの子可愛いな

 こっちもタイプだなー

 でもこの子のテク凄そう

 とか1人に絞らないで
 色んな子に入りたいんだよね

 だからルイもさ

 俺リピしたくなかったら
 しなくていいからさ

 せっかく女風使うなら

 思いっきり楽しみなよ」

 
と私の頭をポンポンした

さっきまで真顔だったのに
今度は可愛い、、、

タイガ
「やば!

 時間!
 このままじゃ延長になる

 ルイ悪いけど急いでシャワーいこ」

と私を抱き上げシャワーへ向かう

「え?

 予約じかん?

 過ぎちゃうなら延長しようか?」

「ダメ

 俺の時間配分ミスだから
 延長しなくていい

 急げば間に合うから」

とまるで子供のシャワーを
手伝うお父さんみたいに
色気もなにもなく

私にシャワーをかけ
大慌てで洗い流す

そして
2人で急いで着替えて

ホテルを飛び出した

駅までの道を手を繋いで歩いている
途中

突然タイガさんが
靴を気にし始め

「あれ

 俺、靴下どうしたっけ?

 やば
 ホテルに忘れたわ」

と言い出し

堪えきれず吹き出した

「もう本当は天然なの?

 見た目とのギャップが
 ツボすぎるんだけど」

と笑う私に顔を真っ赤にする

タイガ

「今日は待ち合わせ時間
 間違えて遅刻するし

 なんか本当にダメダメやったな

 ルイなんか可愛いし
 内心失敗したくないって
 ずっと焦ってたから

 ごめんな」

急に可愛いとか言われて
ドキっとする

「私は楽しかったよ

 次また同じホテルに行って
 靴下回収しよ」

と言うと
ぱっと顔が明るくなって

「また会ってくれるの?

 すげー嬉しいけど
 期待しないで連絡待ってるな」

とあたりをキョロキョロして
人がいない事を確認して

急に私の手を引き
腰を寄せたからと思うと

軽く
チュッとキスしてきた

流石セラピスト
女が喜ぶツボはおさえてる

 
じゃ、またね

と振り返らすに
改札へ向かった

電車に乗るとすぐに
DMがきて

「今日はルイに会えて本当によかったです

 俺は失敗ばっかりしたけど
 ルイが笑ってくれて

 また

 って言ってくれた事で
 すごく救われた

 気をつけて帰ってね」

タイガ、、、
やっぱりDMはなんだか丁寧なんだよね

ギャップがすごいわ

セラピストさん本当に実際に会うまで
わからないなー

でも今日は久しぶりに
沢山笑って楽しかった

うん

またタイガに会いたい

ってなんだか
別れたばかりなのに

もうタイガに会いたくなってる事に
驚いた