術後も思った以上に身体が痛み
入院生活中は気がついたら眠り
少し歩いたら
また眠りを繰り返した
シャワーが許可された日にはじめて
おそるおそるみた
お臍の傷口も
その他の傷口も思ったより
目立たなくて安心した
退院しても体調が万全にもどらず
なんとか仕事にだけは
行ったけど
今までみたいに
仕事帰りにスーパーへより
夕飯の支度や
その他の家事をする
体力も気力ももどらず
旦那には外で食べてきてと言い
私はコンビニで適当な物をかい
最低限の栄養をとり
部屋はどんどん散らかり
家事をサボるとこんなに
部屋が散らかるんだ
と思うけど
ソレを片付け綺麗をたもつ気持ちにならなかった
次の生理がきたら
また妊活をはじめて良いと言われたけど
全く気持ちがついていかず
クリニックからも足が遠のいていった
術後は私を常に気遣ってくれていた
旦那も
いつまでだっても
暗い顔をしている私に
だんだん嫌気がさしてきているのを
感じる
明るく何もなかったようにしなきゃ
と思うのに
思えば思うほど上手くできなく
なっていった
部屋は散らかり
夕飯もなく
一緒にいても
気を遣ってばかりで楽しくない嫁
夕飯は外で食べてきてと宣言しているから
旦那の帰りは毎日遅く
早い時間か、ベッドで横になるようになった
私と顔を合わせない日が増えていった
休みの日も
どこにも出かけたくないと言う私を
最初は気遣って
気分転換とリハビリもかねて散歩ぐらい
行こうと誘ってくれていたけど
行きたくないと言う私と
今は予定を合わせる事もなくなり
休みの日は泥のように眠り
昼過ぎに起きてリビングへいくと
旦那はいつも出かけていなかった
自分でもずっとこのままじゃいけないと
わかっているのに
頭ではわかっているのに
身体と心がそれを拒否する
リビングでソファーに座りながら
旦那の祖母の葬儀の時に
祖父に言われた言葉を思い出した
フンワリしたワンピースを着た私を
妊婦と思ったらしく
妊娠中かきかれ
違うと答えると
「しっかり頑張りなさい」
と言われた
なんで私ばかり
頑張らなきゃいけないんだよ
その日も特にマンションから一歩もでないで
適当に過ごし
リビングで映画をみていたら
旦那が帰ってきた
旦那
「起きてたんだ、、、
体調はどう?」
口から出た言葉は気遣いの言葉だけど
顔は、まだ起きてたんだ
と書いてあるようにみえた
私
「うん
でも、もう寝るとこ
今日どこ行ってたの?」
旦那
「まー
知り合いと色々」
私
「そう、、、
じゃ私これもうすぐ見終わるから
これ終わったら寝るね」
と映画を再生し始めようとしたら
旦那の携帯の着信音がなる
なり続ける着信音に
私
「でないの?」
ときくと
旦那
「ルイちゃん映画みるんでしょ
急用じゃないから
また明日かけるよ」
私
「まだ再生してないし
でれば?」
とやり取りしてるうちに
電話は切れた
ホットした顔の旦那に嫌な予感はしたけど
問い詰めるのも面倒だった
するとまた着信がなる
私
「でなよ
急用なんじゃない?」
旦那はため息をつき
電話にでる
旦那
「もしもし
うん
大丈夫そう
ありがとう
うん
いまはちょっと
わかった
じゃ、また」
と電話を切った
私
「だれ?
急用じゃなかった?」
旦那
「⭕️⭕️さん
ルイちゃんの体調心配してた」
私
「は?
なんで私の体調心配するの?
そもそも今日あの子と会ってたの?」
また派遣のあの女だ
旦那
「2人じゃないよ
前に紹介した仕事が決まったらしく
数人で転職祝いに集まってた
今日ルイちゃんは?って聞かれたから
最近体調があんまり良くないって
話の流れでしただけで
詳しく話した訳じゃないよ」
頭に血が昇っていくのを感じる
私
「何それ
別に言えばよかったのに
不妊治療で子宮外妊娠して
それ以来ずっと暗い顔して
家にいるのが嫌なんだよねーって」
と言い終わらないうちに
旦那が突然テーブルをたたき
部屋にバーンと大きな音が響く
旦那
「いい加減にしてくれよ」
ほとほと疲れたようにため息をつき
「もう終わったことだろ
いつまでもこんな状態続けるの?
俺も正直しんどいのわからない?
もうやめてくれよ」
私
「勝手に終わった事って決めないでよ!
終わった事ならどうして私は
毎日こんなに苦しいの?
当事者じゃないくせに
勝手に終わらせないでよ!」
旦那
「俺だって当事者だろ
ルイちゃんのそう言うとこに
もうなんか疲れたよ」
私
「そうだね
私も疲れたよ
一緒にいるのに疲れた
私たちもう別々に暮らした方が
いいよ
⭕️⭕️さんならきっと
あなたの子供産んでくれて
毎日ご機嫌で、あなたを待って
綺麗に部屋を整えて
あなたを満足させてくれるんじゃない?」
旦那
「は?
彼女は関係ないだろ?
離婚したいって事?
どうしてそうなるんだよ
ルイちゃんさえ前みたいにしてくれたら
いいだけだろ」
私
「前みたいっていつ?
いつの私?
できないから離れよって
言ってる
私も、もう疲れた
1人になりたい」
まだ何か話してる旦那をリビングへ残し
私はベッドへ逃げ
布団を頭までかぶり
耳栓をして
全てをシャットダウンした