キャンセル

オモチャの使い方に詳しい人がいいな

と思って
ホームページから経験値が豊富そうな
ランカーと呼ばれるセラピストさんをはじめて選んだ

顔が完全にモザイクで

どんな人がくるか、、、

初めましてのセラピストさんな
会う時は毎回すごく緊張する

しかも今回は事前に大人のおもちゃの使い方を
レクチャーしてほしい

とLINEのやり取りで
お願いをしている

大人のおもちゃを落とさないように
厳重に注意して鞄に用意して

待ち合わせ場所に向かう

鞄に大人のおもちゃが入っている

妙な緊張感と

どんなセラピストさんがくるか
わからない緊張感で

急に頭痛と吐き気に襲われる

いったんこの場をはなれて
飲み物を買いに行こうと思ったら

「ルイちゃん?

 大丈夫?待たせちゃったかな?」

と顔面強めの
イケメンに話しかけられ

ランカー、、、恐るべし
レベチで顔面強すぎでしょ

吐き気と頭痛で青い顔しながら

「私も今来たとこなんだけど

 急に体調が悪くなって

 飲み物買いに行こうと思ってたとこなの

 すごく申し訳ないんだけど

 今日の予約キャンセルさせてもらって
 いいかな?」

たしかキャンセル料を払えば
キャンセル出来たとホームページに
記載されていた

イケメンセラピスト
凪君が

ジーッと私の顔をみて

「本当だ

 なんだか顔色わるいね

 セラピスト都合のキャンセルなら
 キャンセル料かからないし

 俺が急用出来たことにして

 事務所に連絡するから
 少し待ってね」

「え?

 悪いよ💦キャンセル料ちゃんと
 払って

 後日また予約させてください」

と言う私のそばで

手でシッーのサインをして

なにやら事務所に連絡しはじめた

連絡し終わった凪君が

「大丈夫!大丈夫

 それより本当に具合悪そうだから
 少し涼しいところで
 ゆっくりしよ」

と私の大人のおもちゃが入った
大きな鞄を
手に取り

反対の手で

迷う事なく
私の手を繋ぎ

木陰のあるベンチへ誘導してくれた

「座って少し待ってて」

と言うと走ってどこかに行き

ペットボトルを二本買ってきて

「お茶と水!どっちがいい?」

と差し出しくれた

「じゃ、お水を、、、」

と言うと素早く

ペットボトルの蓋を開けて

横に座りペットボトルを渡してくれた

「ゆっくり飲んでね

 あと首筋冷やすと気持ちいいから
 ハンカチ濡らしてきたよ」

と冷たいハンカチを
首筋に当ててくれた

本当だ、、、
冷んやり気持ちくて落ち着く

ジーッと凪君が首筋をハンカチで
当ててくれながらみつめるから

「そんなに見られてると

 お水飲みにくいかも💦」

「ごめん🙇

 気がつかなかったや」

意外に照れた様子で視界をそらし

お水を飲む横で
凪君は私が気を使わないように

最近みた映画の話や
最近失敗したこと
飼っているペットの話など

たわいない話をして
リラックスさせてくれた

そして突然

「そういえば、、、

 このルイちゃんが持ってきた
 大きなバッグに

 今日一日中、大人のおもちゃ
 大切に持ち歩いてたの?」

と話題を振られて

水が変なことにはいり
むせかえった

凪君は大慌てで

「ごめん🙇ごめん🙇
 大丈夫???

 すごくおもたかったから
 沢山持ってきたのか?とか

 気になっちゃって」

と真剣な顔して答えるから
なんだかおかしくなって

声を出して笑ってしまった

「そうなの💦

 落としたらどうしようとか色々考えて
 緊張して具合やるくなるなんて

 自分でも馬鹿すぎて呆れてます💦」

その様子を見た凪君もつられて笑って

なんだか最近大人のおもちゃで
笑っぱなしだな

とさらにおかしかった
 
セラピストだから女性の扱いになれていて

いつもは男性といる時は気を遣って

私から色々話題をふったり
話したりするけど

凪君はちょうど良い距離感で
私の話をきいてくれて
自分の話もしてくれた

体調が落ち着いたら
自然と手を繋いで
駅まで送ってくれた

電車に揺られながら

「なんだか申し訳なかったけど
楽しかったな、、、」

と次に凪君にあえる日を決めようと

スマホから凪君のホームページの
スケジュールをチェックした

この凪君との出会いで

私は女風を使う
自分ルールを犯してしまい

女風の沼に
自らハマって行く事になる