義母に言われたとおりに
義理姉と2人で姑の実家へ行き
支持された事だけを黙々とこなした
お客様が来れば挨拶をして
お線香を上げてもらい
お茶を出す
その合間に、親戚達が帰ったら
食べたり飲んだりする仕出し屋さんがきたので
お膳を用意して配置したり
グラスを用意したりした。
義母のご実家へ初めてきたけど
改めて冷静によくみると
かなり立派な和風な家で
勲章や調度品がずらりと
並んでいる
お義理母さん
潔癖症で、お上品で謎だらけの方だけど
どうやらお嬢様だったみたいだ
義理母の実家は大きく
祖父は誰でも知っている企業の
役員だったらしい
そこから親戚たちが火葬場から
帰ってきて
なんだかよくわからないまま
名前も知らない親戚たちに愛想を振り撒き
働き続け
解放されたのは夜遅くだった
酔った旦那を抱えてなんとか
タクシーへ乗り
義母が予約してくれた
ホテルへ行き
当たり前だけど同室
久しぶりに、2人っきりで
なんだか緊張感がある
酔っているタクミ君を
先にシャワーを浴びるように
「疲れてるし
沢山飲んだから
とりあえず先にシャワー行った方がいいよ」
と、うながす
うん
ありがとう
とたくみ君がシャワーへいき
その間にキャリーバッグをあけ
荷物の整理をしていたら
バスローブのタクミ君がでてきて
何故かドキっとたる
慌てて出てきたタクミと
入れ違いでシャワーへ行こうとしたら
タクミ君が
急に抱き締めてきた
「ど?どうしたの?
とりあえず私もシャワーに行きたいから」
と慌ててシャワー室へ
喪服を脱ぎ
シャワーを浴びながら
このままタクミ君とエッチして
わだかまりが薄くなって
私たち
前みたいに戻れるかもしれない
赤ちゃんいなくなったけど
また2人からやり直したらいい
とお腹をおさえて
期待して
部屋に戻ると
酔い潰れたタクミ君は
ベッドに仰向けで
イビキをかいて
眠っていた
たくみ君も
私と同じ気持ちかもしれない
と
期待した自分が
恥ずかしくて
惨めで
なんだか胸が苦しくて
ホテルの冷蔵庫から
ビールの缶をだして
一気に飲み干した
「疲れた、、、」
何故だか涙がポロポロ溢れて
とまらない
それにしても
こんなに無償で
早朝から深夜まで働き続けても
感謝一つされない職業は
「嫁」
以外に私はみつからない