盗撮

イベントの数日後
突然知らない女の子からDMがきた

女風で使っている私のx アカウント
は予約専用アカで

基本的に
ポストはしない

けどみーちゃんや野薔薇さんと繋がって
2人のポストには返信したりしていた

みーちゃんがオシャレなカフェの
ポストをしていたら

私のオススメのカフェとか
次に行きたい場所とか共有したりしてる

みーちゃんや
野薔薇さんは積極的に
ポストして

#女風ユーザーとつながりたい

で発信しているから
よくDMがくるみたいだけど

私は初めてで驚いた

「ルイさん

突然DMで驚かせてごめんなさい
💦
マナと言います

素敵なカフェでのポストに密かに癒されたりしています
経済力も問題なさそうな上にキレカワで
人からみたら羨ましい塊だと思うのに
女風を利用しているところに惹かれています

ルイさんに共感するところが多く
突然DM送ってしまいました。
よかったら女風友達になって欲しいです」

「はじめまして
 女風ユーザーさんからDMもらったの
 初めてで驚いています

 なぜ私?」

「驚きますよね

 みーちゃんのポストをみて
 イベントに一緒に来ていたの
 ルイさんかな?

 と思い情報交換とか出来たらな?
 と思って」

みーちゃんのポスト見たって事は
みーちゃんの知り合いなんだ

「みーちゃんのお友達なんですね

 ビックリしました
 私はイベントもすぐに帰っちゃったし
 色んなセラピストさんと話す事は
 出来ていなくて、、、

 たぶんだけど
 みーちゃんの方が詳しいと思いますよ」

「みーちゃんと来てたの
 やっぱりルイさんだったんだ

 凪君席についてたよね?

 凪君とは前のお店からの
 ユーザーですか?
 新しい店で予約とれましたか?」

そうだ!
凪君の新しい店で
予約するって約束したんだ

いつにしよう

とスマホのスケジュールをみていると

マナちゃんから
追いDMがくる

ルイさんいつ予約取れそう?

「今から私の
 スケジュールみてきめるよ」

と返信して
スケジュールをみていると

その間も次々追DMがくる

私も予約したいけど
新規受け付けてないみたいで
どうしたら予約できると思う?

前の店では予約出来てたから
厳密には新規じゃないんだけどね

本当はルイちゃんみたいなキレカワ優先なの
悔しくてDMしちゃったの

凪君とは予約外でも会ったことある?

ひょっとして退店後も
裏であったりしてた?

なんだろ、、、

知らない相手から次々質問され

しかも相手は私の事を知っている感じ

なんだか怖くなり

美那にLINEで

「急に知らない女風ユーザーさんからDMがきて
 質問攻めなんだけど
 これって返信した方がいいのかな?」

「どんな内容?」

「なんか凪君の事色々きいてくる感じ
 それに私のことも少なからず
 イベントで見かけたみたいで」

「ルイなんかそれ変だよ?

 詳しく聞きたいし
 暇なら今から会わない?」

と言われ

美那と飲みに行く事にした
 
…………………………………………………………………….

マナ目線

ルイにキレカワで悔しいと送ったのは

本当は私の方が可愛い自信がある

ひとりのセラピストに対し

当然ながら客はひとりではない

そんな中、SNS上やボスラブ、口コミではマウントの取り合いが繰り広げられるのは
日常で

女たちの嫉妬心を煽り
指名につなげるセラピストも多い

女風でセラピストからの扱いが

「他者より自分の方が上」ならば

優越感に浸れ
簡単に自尊心が満たされる

自分で言うのもアレだけど私は

女風ユーザーの中でかなり可愛いし
実際に容姿端麗でメンエス嬢をしてる

だから今までは
お金をほとんど使わなくても

初回さえ予約して
会えさえすれば
大抵のセラピストが

2回目以降予約外で

セラピストから
次から店通して
予約しなくてもいいから
また会いたいと熱望してきた

セラピストに遊ばれると言うより

エンメスで溜まったストレス発散と
自尊心を満たす道具として
女風で遊んでいた

セラピストからもらったプレゼントや
優遇をSNSに
少し匂わせる感じで書いて

被りのユーザーの反応で
楽しんでいたのに

凪に出会って変わってしまった

今まで出会ったセラピストとは
桁違いのイケメンで

めっちゃ好みのタイプ

私の裸をみたセラピストは
お金をもらってこんな
ご褒美もらえるなんてヤバすぎ

と喜んでくれたし

今回もいつものように

別れ際に
この後予約外で会える?

きっと凪から誘ってくるな~って
思っていたけど

全くその気配がなく
あっさり予約時間キッチリで
解散終了して驚いた

え?
無料延長もなし?

と内心モヤモヤして

悔しくてすぐに2回目の予約したのに

2回目も予約時間キッチリで
全く特別感がない

そのことを凪に

「他のセラピストはもっと優遇してくれるし

 私に
 こんな扱いするの凪君だけなんだけど」

って詰め寄ると

凪『他のセラピストの事はわからないけど

 俺、マナちゃんに予約外で会うつもりないよ

 そう言うの望んでるなら
 他のセラピストを予約した方がいい」

って冷たく言われ

それがキッカケで

凪を私に絶対惚れさせたくなり

月に何度も
何度も予約して

エンメスで稼いだ金を
凪に注ぎ込んだ

予約しながら
被りの女たちを剥がすために

ホスラブに
嘘のような本当の事を
連日書き込むと

凪の個スレは大炎上した

ホスラブで私以外に特別な
優遇をしてそうな
書き込みをみて

私は優遇されていないのに

どうして?
どんな女になら優遇するの?

腹が立って
問い詰めようと

いつも通り予約しようと
店のホームページをみると

凪の退店のお知らせがあり

月に数十万の
お金を凪に落としてきたし

ランキングにも貢献したのに
凪からは私に直接退店の挨拶もなく
突然セラピストを辞めて

呆然とした

悔しくてその後も
ホスラブに
あることないこと悪口を書き込みまくった

やっと凪の事が吹っ切れ
他のセラピストと遊び始めたときに

女風友達から
凪がセラピスト再開するらしいよ?

手始めに
○店との合同イベントくるみたい

と情報が流れてきて

凪に気づかれないようにイベント参加して

こっそり様子を見に行く事にした

イベントで適当なセラピストを指名して
店内で凪が来るのをまつ

凪は新規の客の席を中心に
新しい店の代表と回っているみたいだったけど

以前の店のリピ客も
数人来ているみたいで
忙しそうにしていた

そのなかのひとりに
いかにも昼職で
普通の地味な女がいて

あんな地味な女でも
女風利用するんだって好奇心で

コソコソみていたら

凪は私に見せた事ない笑顔で
その女に密着して
媚を売りまくっている

そうこうしているうちに
その女が酔ったのか
フラフラしながら
凪に肩を抱かれながら
店を出て行ったので

トイレに行くと席についていたセラピストへ
適当に嘘をつき
慌てて後を追いかけた

すると2人は恋人みたいに寄り添って
細い路地にはいり

抱き合いキスしていた

頭に血が上り反射的に
写メで2人の様子を撮った

帰ってから
複数の画像をもとに
地味女のSNSアカウントを見つけようとしたけど
うまくいかず諦めかけた時に

イベントに来てた
ポストをしている

みーとかいう女のアカウントに辿り着き
ポストの返信を探り

ルイにたどり着いた

DMしてみたら
何の警戒感もなくあっさり

イベントへ来ていた事をみとめて

凪と一緒にいた女だと
確信にかわった

あんな地味な女が私より
優遇されていたなんて 

許せない

…………………………………………………………………..

居酒屋で美那と落ち合い

久しぶりー
と乾杯する

「そういえばルイこの前のオフ会の時

 慌てて帰ったけど
 大丈夫だった?」

「それがね

 話してなかったんだけど
 私いまタクミ君と別居してて」

「別居?

 喧嘩したの?」

「うーん

 喧嘩ならまだよかったかも

 だから
 喧嘩より深刻かな、、、

 長年の膿が溜まって
 一旦気持ちを整理したくて

 私が家を出たかんじ」

すると友達の顔色がかわり

怖い顔で

「ルイ

 親友だと思ってるから
 ハッキリ言うけど

 駄目だよ
 別々に暮らしたらもう終わりに
 なっちゃうよ」

と言われ

「え?

 そうかな、、、
 タクミ君の鍵はまだ持ってるし

 いつでも帰ってきて良いって
 言われてるよ」

と答えると

「最初はそうかもしれないけど

 家を出て別々の生活を始めたら

 もうルイの家じゃなくなるよ?
 たくみ君が女を連れ込んでも

 ルイから家を出たなら
 責める権利なんてないけど

 本当にルイはそれでいいの?」

と言われて初めて
自分がしでかしたことの重大さに
気がつき青ざめる

「どうしよう

 確かにタクミ君会うたびに

 様子がおかしくなってきてる」

「それに、さっき変なSM来たって
 言ってたけど

 心当たりないの?
 その子のアカウントみた?」

スマホを取り出して2人でみる

「なんだか気持ち悪くて放置してきた

 アカウントまでみてないや

 えっと、この子からDMが突然きてね」

とスマホをみせて確認していたら

「なんか、またDMきてない?
 みてみたら?

「うん。」

「きゃ!
え?

何これ」

真っ青になり手が震えてスマホを落とす

「どうしたの?

 見ていい?」

頷く私を確認して
美那がスマホをみると

凪とルイが抱き合っている写真
がみえた

「実は私
凪の彼女なんだけど
写真ばら撒かれたくなかったら
もう、凪とは2度と会わないで」

と書いてある

「何これ?

 いつ撮られたの?
 盗撮されてたって事?」

「わからない

 けど凪君にあった
 イベントの帰りだと思う」

「たぶんみーちゃんが前に言ってた
 凪の粘着質なお客だよね

 ルイ、本当にもう凪と会うのは辞めな
 指名し続ける限り
 この先ずっとトラブルに巻き込まれるよ」

「けど、予約する約束しちゃったし」

「ルイ、、、

 目を覚ましなよ
 凪にとったらその他大勢の客の1人だよ

 変な女に盗撮までされて
 まだ会うつもりなの?

 私が言うのも変だけど

 女風でレスの寂しさを紛らわせて
 人生の取り返しがつかなるんじゃ

 この遊びルイには向いてないんじゃない?

 一度自分がどうしたいのか
 よく考えた方がいいと思うよ

 とにかく凪の事は本当に終わりにしな」

美那が本気で私を心配して言ってくれてるのが
伝わり

「うん

 そうする

 ごめん
 本当に終わりにする」

と凪をブロックして削除した

ずっと夫婦の問題を先延ばしにして
誤魔化してきたけど
親友の美那に現実を突きつけられ

私はどうしたいのか?
どうすべきなのか?

もう手遅れかも知れないけど

甘い誘惑の方へばかり逃げてきた罰が当たるのか
たくみ君ともう一度向き合ってみようと思う